肺がんは喫煙者がなるもの、と決めつけている人は注意が必要です。もちろんタバコは肺がんのリスクを一気に高めますが、それ以外にも遺伝・環境汚染・呼吸器疾患などの要因から、肺がんになるケースもあります。喫煙者では、1日に吸う本数×喫煙年数という喫煙指数が400以上であると、かなりリスクが高いと言われています。また、受動喫煙の影響を受けている人ならば、40歳以上になったら肺の人間ドックを受けておくことが望ましいでしょう。
従来までは、肺がんの人間ドックには喀痰細胞診と胸部単純X線という検査を行っていましたが、最近では胸部CTなども併用して検査する所が増えています。このうち、胸部単純X線は健康診断でも受けられるので、肺がんのリスクが高いというのであれば、その他の喀痰細胞診と胸部CT検査を受診しておくと良いでしょう。人間ドックでなくても健康診断で胸部単純X線で一部のがんは発見出来ますが、かなり進行してしまった肺がんである可能性が高いです。初期の小さながんは他の臓器に重なって見極めが困難だからです。
肺がんの有無を調べるには、健康診断だけではなく喀痰細胞診と胸部CTも組み合わせて受け、早期発見に繋げましょう。胸部CTでは、肺がんだけではなく肺結核・肺炎・気管支炎・肺気腫・肺のう胞・縦隔腫瘍・肺内血管異常などの病変を見つけることも出来ます。撮影が極めて短時間で済むヘリカルCTという連続撮影が可能な機械だと、被ばく量を抑えることも出来ます。