前立腺の針生検を受けたら肺がんの疑いがあると言われた、など人間ドックでは特定の部位の検査で他の部位の病気が見つかることもあります。人間ドックの検査項目は多くの場合セットになっていて、基本の血液検査や尿・便の検査と併せて特定の部位に対しての検査が行われます。がんはどの部位にできるかによって病気の性質が変わるものですが、内臓のがんは腫瘍マーカーで判定されるので、その際に他の部位のがんが見つかることもあります。この場合、転移などの可能性も考えられますが、そうでなく一箇所だけの良性の腫瘍であれば人間ドックで見つかって運が良かったと思っても良いでしょう。
もちろん、がんが見つかってラッキーだったと考えられる人はいないでしょうが、早期発見であれば幸いなことです。がんに対しては早期発見が肝心で、早い段階であれば様々な治療法を使うことができます。部位によっては放置や温存などの手を加えない治療法もありますが、その場合でも定期的にがんの状態を見ていく必要があります。中には悪さをしない良性のがんもいるので、それに対しては体に負担をかけてがん治療を行うよりも、体力を温存させる意味でも特別な治療をせずに経過を見ていく方法もあるという事です。
「がんを見つけるのは怖いから人間ドックも受けたくない」と思うかもしれませんが、苦しい治療をしない選択肢もありますし、高齢者であればがん細胞の成長の進行も遅いです。まずは状態を見るという意味でも検査を受けておく意味はあります。